プロパーカードとは!?クレジットカードについての豆知識
あなたはクレジットカードに「プロパーカード」というものがあることをご存知ですか?
知らなくてもカードを使う上では特に問題はないのですが、知っていればより上手にクレジットカードを選ぶことができます。
今回はこのプロパーカードについて、出来るだけ判りやすくお伝えしたいと思います。
クレジットカードについての豆知識として、また2枚目3枚目のカードを作る際の基礎知識として、是非あなたのカードライフにお役立てください。
プロパーカードは厳密に言うと3社のみ!意外と貴重な存在!?
プロパーカードとは、正確には国際ブランドのライセンスを持つ企業が発行するクレジットカードのことを言います。
後ほどご説明するように広義のプロパーカードにはこれ以外のものも含まれていますが、厳密に言えばプロパーカードを発行できる会社は3社しかありません。
3つのカード会社がプロパーカードを発行している
まず最初は、この「厳密な意味でのプロパーカード」からご説明したいと思います。厳密な意味におけるプロパーカードとは、以下のクレジットカードのことです。
- アメリカン・エキスプレスが発行するクレジットカード
- ダイナースクラブが発行するクレジットカード
- JCBが発行するクレジットカード
上記はいずれも国際ブランドの企業で、ブランドライセンス発行とカード発行の2つの業務を行っています。
つまり以下の両方を満たすカード会社が発行しているのが、厳密な意味でのプロパーカードなのです。
厳密な意味でのプロパーカードを発行できる企業
- ①ブランドライセンスを発行している
- ②カードを発行している
ところで既にお気づきの方もおられるかと思いますが、先ほどご紹介したプロパーカード発行の会社名には、以下のお馴染みのカードブランドの名前が見当たらなかったですね。
世界シェアNo.1のVISAと世界シェアNo.2のMasterCardは、実はブランドライセンスを提供するだけで、自社でのカード発行は行っていません。
両社は①と②の条件のうち、①しか満たしていないのです。また両社のライセンス提供を受けて各カード会社が発行する「〇〇〇カードVISA」とか「〇〇〇カードMasterCard」といったクレジットカードは、厳密な意味ではプロパーカードとは呼びません。
広い意味でのプロパーカードは数多く存在する
では次に「より広い意味でのプロパーカード」についてご説明しましょう。今からご説明する内容は、厳密な意味でのプロパーカードよりもちょっと複雑ですよ。
何故なら広い意味でのプロパーカードには、国際ブランドのライセンスを持たない以下のような企業発行のクレジットカードまで含まれるからです。
自社発行していれば広い意味でのプロパーカードになる
上記のクレジットカード会社は国際ブランドのライセンスは持っていませんが、自社でクレジットカードの発行を行っています。
一応自社発行という条件は満たしていますので、これら企業が発行するカードもプロパーカードに含めることがあります。これが「広い意味でのプロパーカード」です。
広い意味でのプロパーカードを発行する企業
- ブランドライセンスは発行していない
- 自社でカードを発行している
三井住友カード発行の「三井住友VISAカード」といったら、ほとんどの方が知っている知名度の高いクレジットカードですよね。
このカードはVISAのランセンス提供を受けて自社発行されており、広い意味でのプロパーカードに分類されます。
広義のプロパーカードは好みのブランドを選べる場合もある
同様にイオンクレジットが発行するクレジットカードも、自社発行という意味においてはやはり広義のプロパーカードです。
ところでイオンカードは、以下のように「VISA・MasterCard・JCB」の3ブランドの中からお好きな国際ブランドを選ぶことが出来ます。
- イオンカードセレクト VISA/JCB/MasterCard
- イオンカード VISA/JCB/MasterCard
- イオンJMBカード VISA/JCB/MasterCard
どれも「イオン発行によるプロパーカード」ですから、広い意味ではVISAやMasterCardにもプロパーカードがあると言ってもいいのかもしれません。
広義のプロパーカードとはどんなもの?提携カードとの差とは?
一般に「プロパーカード」という言葉は、先にご説明した厳密な意味ではなく、この広い意味で使われることの方が多いようです。
では世の中には、広義のプロパーカードを発行している会社はどのくらいあるのでしょう?またプロパーカードに含まれないクレジットカードとは、一体どんなものなのでしょうか?それについて詳しく調べてみました。
プロパーカードを発行するカード会社は最低でも20社以上
広い意味でのプロパーカードを発行しているカード会社は、実は国内で20社以上もあります。
以下はその一例です。このような企業がクレジットカードを発行していることを、あなたはご存知でしたか?
- 消費者金融会社のアコム
- 家電メーカーの日立製作所系列企業
- トヨタファイナンス
- NTTファイナンス
「ここもクレジットカードを出しているのか!」と驚いた方もいるかもしれませんね。企業の中にクレジット部門、もしくは100%出資の子会社としてファイナンス会社を持っていれば、どの企業もブランド提供を受けてクレジットカードを発行できるんですよ。
プロパーカードでないクレジットカードは「提携カード」
それでは広義のプロパーカードにも分類されないクレジットカードとは、一体どんなカードなのでしょう?それが「提携カード」と呼ばれるものです。
提携カードとは?
- 商品代金の立て替えを行わない企業(※)が他企業との提携により発行するカード
- (※)割賦販売法と貸金業法に基づいた登録を受けていない企業のこと
こういった企業が発行する「提携カード」として代表的なのが、「JTBカード」です。以下はJTBカードのバリエーションと、その提携先の企業の一覧です。
カード名称 | 提携先企業 |
---|---|
JTB旅カード JCB GOLD | JCB |
JTB旅カード JMB | JCB、JALマイレージバンク |
JTB旅カード VISA/MasterCard | セディナ |
JTB旅カード VISAゴールド | 三井住友VISA |
上記4種類の「JTB旅カード」は、それぞれ提携先が異なることが確認できますよね。そして提携先が異なるということは、国際ブランドが提携先のカード会社に依存することを意味しています。
例えば「JTB旅カード セディナ」ならブランドはVISAかMasterCardのいずれかを選べますが、「JTB旅カード JMB」の場合JCBしか選択肢がありません。
提携カードは企業に特化したサービスが特徴!
ここで少しだけ提携カードの特徴をご紹介しておきましょう。提携カードの特徴は、以下のように特定の目的に合ったサービスを選べる点です。
- 飛行機の利用が多ければ「JTB旅カード JMB」
- ステータスを重視するなら「JTB旅カード JCB GOLD」
つまりそれだけきめ細かな選択が可能だということですね。
提携カードのサービスは、自社商品の割引がお得
また提携カードでは、お得が最優先されます。従って大幅な割引やポイント倍増といったサービスが最大の魅力となります。
ただし系列の対象店以外では旨味がないという点が、提携カードの弱いところでもあります。提携カードで得しようと思ったら、利用先を選ばなくてはなりません。
以下が提携カードの特徴のまとめです。
- 提携カードは顧客サービスに強い
- 割引きなど企業独自のサービスを受けれる
- ただし対象サービス以外では旨味が少ない
つまり提携カードは、目的に応じて使い分けするのに向くカードだということがわかります。
なお提携カードに興味のある方は、是非以下の記事もご参照ください。きっとあなたのライフスタイルに合う提携カードがみつかりますよ。

プロパーカードとしておすすめのクレジットカードをご紹介
では次に、おすすめのプロパーカードを続けて3枚ご紹介しましょう。
いずれも安定したステータスで、しかも使い勝手の良いお得なクレジットカードばかり。年会費がお手頃なカードを交えてのご紹介です。
厳密な意味でのプロパーカード!JCB一般カード
- 年会費初年度無料、次年度1,250円(税別)
- 年間50万以上の利用で次年度も無料
- トラベルサービスが充実!旅行がお得
- 世界60ヵ所のJCBプラザが利用できる
- 海外利用ポイント2倍
- 旅行が安心!付帯保険も充実!
最初にご紹介するのはJCB一般カードです。JCB一般カードは「厳密な意味でのプロパーカード」に分類されます。
ご説明してきた通り、広義のプロパーカードは数多くありますが、JCB一般カードのような純正プロパーカードはほんの一握り。
一般的にも一目置かれる存在で、その風格はどこに出しても恥ずかしくありません。
nanacoを利用する方にもJCBはおすすめ
JCB一般カードの年会費は初年度無料、次年度1,250円(税別)とお手頃価格。しかも年間50万円以上の利用で、次年度の年会費は無料となります。
メインカードとして使うなら、年間50万円というハードルは決して高いものではありません。
また、JCB一般カードは電子マネーnanacoが利用できる店舗、セブンイレブン利用でポイントが3倍(還元率1.5%)になる上に、nanacoポイントへの交換レートが高い為、nanacoを利用する方にもおすすめのクレジットカードですね。
JCB一般カードは旅行サービスが豊富
またJCB一般カードは特典も豊富で、トラベルサービスが大変充実しています。
世界60ヵ所にあるJCBプラザでは、ちょっとした休憩や日本語での相談が可能!JCB一般カードなら旅先でも不安はありませんね。
その他にも様々な国の優待加盟店で割引が受けられます。例えばハワイではJCBカードを見せるだけでワイキキトロリーバスが乗り放題になったり、世界各国のたびらば提携店を優待価格で楽しめます。
また海外・国内旅行傷害保険とショッピング保険も付帯、旅行や買物も安心です。
39歳以下の方なら年会費無料で持てるJCB CARD W(plus L)がおすすめ
- 申し込みは39歳まで
- 年会費完全無料
- 基本還元率1%の高還元
- 豊富な旅行サービスも魅力
- 海外・国内旅行保険利用付帯
39歳以下の方なら年会費が無料で持てるJCB CARD W(plus L)がおすすめですね。
JCB CARD W(plus L)は2017年10月に新登場したばかりの新しいハイスペックカードで、基本還元率が1%と高い人気のクレジットカードです。
年会費無料で信頼あるプロパーカードが持てる点も魅力的です。一般カードよりもポイントも貯めやすく、豊富な旅行サービスなど大変魅力的な作りとなっています。
また、JCBのパートナーショップ店であるセブンイレブンやAmazonでの利用はポイント4倍(還元率2%)となる為、Amazonをよく利用する方にもおすすめですね。
JCB一般カード同様、トラベルサービスが大変充実してますので、海外旅行もお得に楽しめるクレジットカードですよ。
アメックスゴールドは意外と持ちやすい?正真正銘のプロパーカード
- 年会費以上の付帯サービス
- レストランコース料理1名無料
- 充実のエアポートサービス
- プライオリティ・パスの利用が可能
- 最高1億円の旅行傷害保険が付帯
次にご紹介するのは、厳密な意味でのプロパーカードの代表格とも言えるアメックスゴールドカードです。
審査が厳しいのではと身構えてしまいますが、実は近年、アメックスの審査ハードルが以前よりも低くなったと言われているのをご存知でしょうか?
アメックスゴールドカードは他社ゴールドの中でも基準が甘いとさえ言われており、中には年収300万円未満の人が会員になれたという情報も。
しかも、アメックスは外資系の会社ですから審査基準が異なります。過去に延滞履歴があっても多角的に判断される為、審査に通る可能性も十分にあるのです。
アメックスに興味のある方は、是非チャレンジしてみてはいかがでしょう。
アメックスゴールドは付帯サービスが素晴らしい
アメックスゴールドカードは、国内外で厳選されたレストランのコース料理1名分が無料になるサービス(招待日和)や、提携ホテルに2泊以上するとホテル契約のゴルフコース(1ラウンド / 1名分)が無料になる(プリファード・ゴルフ)サービスなど、ゴールドカードながら、プラチナカードクラスのサービスが利用頂けます。
招待日和の年会費は3万円(税別)、プリファード・ゴルフの年会費も2018年6月1日レートで32,089円ですから、約6万円のサービスが年会費29,000円(税別)で利用頂けるので、とてもお得な面もあるステータスカードなのです。
また、家族カードが1枚無料ですから、ご結婚されてる方にもおすすめのクレジットカードですね。
家族カード会員の方も本カード会員の方と同じサービスを利用頂けますので、1枚分の年会費でカード2枚分のサービスが受けられる為お得です。
中でも空港ラウンジサービスは出張などには大変重宝するものですが、アメックスゴールドはそれに加えてプライオリティ・パスの利用も可能ですよ。
プライオリティ・パスは一般的なカードラウンジではなく、航空会社提供によるグレードの高いVIPラウンジが利用できるパスカードの事です。
プライオリティ・パス
- 航空会社提供のVIPラウンジが使える
- 利用対象は国内外1,200ケ所以上のVIPラウンジ
- 通常年会費99米ドル(※1)や利用料27米ドル(※2)がかかる
(※1)日本円で10,769円(2018.6.1レート)
(※2)日本円で2,937円(2018.6.1レート)
アメックスゴールド会員になると、このプライオリティ・パスに年会費無料で登録できるほか、年間2回までなら無料でラウンジを利用できます。
VIPラウンジでは軽い食事やアルコールが提供されますから、飲食代の節約にも大いに貢献できるでしょう。
アメックスゴールドは、「さすがプロパーカード!」と言うに相応しいサービス内容で、どなたも満足できること間違いありません。
プロパーカードを選ぶ利点とは?メリット&デメリットを徹底解説!
プロパーカードと提携カードの違いはお判りいただけたでしょうか?
簡単にまとめますと、クレジットカード会社が自社発行しているカードが(広い意味での)プロパーカードで、カード会社でない企業が発行しているカードが提携カードでしたね。
最後に、プロパーカードのメリットやデメリットをご説明したいと思います。
プロパーカードのメリットは、付帯サービスが充実
まずはプロパーカードのメリットから。
プロパーカードはカード会社が自ら発行するカードですから、その付帯サービスは総合的に充実したものになっています。
以下はカード付帯サービスの例ですが、一般にプロパーカードには、この通りショッピング以外にも様々な特典が盛り込まれています。
- 国内・海外旅行傷害保険
- ショッピング保険
- シートベルト保険
- オンライン不正利用保険
- ポイントサービス
- 海外アシスタントサービス
- 提携ショップでの割引サービス
- 携帯・公共料金の支払い
- 家族カード・ETCカードなど追加カードの発行
- 楽天EdyやSuicaなどの電子マネー機能
但しサービスの数とレベルは、カードによってかなり幅があります。
必要のないサービスでは意味がありませんが、自分に合ったサービスを基準にクレジットカードを選べば、日常の様々なシーンで大いに役に立つに違いありません。
プロパーカードの年会費は無料の場合も多い
プロパーカードの利点についてはよくわかりましたが、次にその欠点を見ていきましょう。
プロパーカードのデメリットとして、年会費が高い・審査が厳しいことがよく挙げられています。
しかしちょっと視点を変えてみれば、その考えが必ずしも正しくはないことに気づくでしょう。
例えば年会費一つとってみても、プロパーカードには以下のように様々なパターンがあります。
- 年会費が永年無料のカード
- 年会費初年度無料 次年度条件付きで無料
- 年会費初年度無料 次年度有料
- 年会費1,000円台
- 年会費10,000円以上?
厳密な意味でのプロパーカードは年会費の高いものが多いのですが、広い意味でのプロパーカードなら、年会費が無料のものや安く済ませるものが多数見つかるのです。
プロパーカードはサービスの質やステータスが高い
しかし年会費が高ければそれ相応のステータスや特典がついてきますから、年会費が高いこと即デメリットではありません。
審査についてもプロパーカード全体が厳しい訳ではなく、クレジットカードの種類によって審査基準にはかなり幅があります。
広い意味でのプロパーカード楽天カードやイオンカードは、審査が優しいのが特徴です。それはこういった流通系カードが、顧客獲得目的のために発行されるからです。
一方厳密な意味でのプロパーカード「アメックスカード」や「ダイナースカード」を選べば、それなりの審査が待っています。
でもその代わりこういったカードには、どこでも通用する高いステータスが備わっています。
プロパーカードは自分のスタイルに合ったカードを選ぼう!
つまりどなたでも、ご自分のスタイルに合ったプロパーカードを見つけることができるという訳です。年会費も無料から数万円以上まで様々ですし、ゴールドやプラチナへのランクアップという目標を立てるのもいいですね。
年会費、サービス内容、カードランクなどを検討して、是非ご自分に合ったプロパーカードを見つけましょう。





